昨日の定例稽古について考察。昨日は夕方になっても気温が下がらず、冷房いれても汗は止まらず道着はびしょ濡れなのだが、実はけっこう気持ちがよい。夏はたくさん食べて呑んで稽古してたっぷり汗かいているうちに身体に切れが出てくる。逆に冬は普通に生活していると汗がかきづらいため、気持ちが落ちる。ということは冬に汗をかく工夫をすればいいのだろう。今年の冬の隠れテーマが急に生まれる。

工夫といえば、昨日一打三足の稽古。一打三足の稽古を剣術を知らない人に伝えるとすれば、文字通りなのだが、一、二、三の三拍子で打つ、といえばよいか?言葉で書くと簡単そうに思えるが、稽古を始めたばかりの門人は、油断していると二の後に半拍子足が動いてしまったりすることがある。正確に三拍子を刻んで、身体のバランスを保つことはなかなか難しいが、何度か繰り返しているうちに身体がわかってくる。これが稽古の醍醐味だ。

そんな中、師から課題を与えられる。「あゆむ」ことである。新陰流というと、自ら仕掛けるよりは、相手を迎える待の心持ちが強調される。が、実は自ら仕掛ける型もある。先日書いた九箇は

その典型である。待つのではなく、自ら仕掛ける。相手の間合いに近づくために「あゆむ」、現代風にいえば歩いて相手に近づいていくわけだが、さあ、ただ歩いているだけでいいだろうか。


稽古後の宴で師からは「あゆむがごとし」という言葉をいただく。あゆむがごとし?わからないからあゆむのである。工夫、工夫、工夫。